ドンクサック合唱団第1回自前音楽会
1993年3月6日(土) 目黒区民センター
- 最上川舟歌
- 山形県民謡
- 編曲 清水脩
- 指揮 佐土原陽二
- 最上側は山形県南置賜地方に源を発し、庄内平野に出て酒田付近で海に注 ぐ全長240キロに及ぶ日本三大急流の一つである。この曲は、酒田通い の船頭たちによって下航の際に歌われていたもので、日本民謡のスタンダー ドである。今回用いた編曲は、「月光とピエロ」と並ぶ清水脩作品の白眉 で、奔流を突っ切ってゆくリズムと壮大に流れる旋律が転調を伴いながら 絶妙に組み合わされている。
- ローレライ Die Lorelei
- ドイツ民謡
- 作詩 ハイネ
- 作曲 ジルヒャー
- 指揮 竹田英二
- 「ローレライ」とは西ドイツ、ライン河中流の右岸にそびえ立つ高さ13 2mの岩石の呼名である。この岩は古来やまびこを起こすことで知られ、 舟人を誘惑するという水の精、ローレライの伝説は、しばしば詩人たちに 霊感を与えてきた。とりわけハイネの詩にジルヒャーが作曲したこの曲は 民謡のように広く親しまれ、日本でも近藤朔風の訳詞で愛唱されている。
- ヴォルガの舟歌
- ロシア民謡
- 編曲 山崎知行
- 指揮 鎌田浩二
- 1860年に詩人シチェルビナと作曲家バラキエフによって見つけられた 曲。“burlatskaya(ブルラツカヤ)”と呼ばれる舟引き歌は、 ロシア民謡の中でも独自のジャンルを形成しており、この曲とともに荷揚 げ作業の仕事歌「ドゥビーヌシカ」が有名である。「Ei, ukhnem!」 のかけ声は名歌手シャリアーピンの歌で親しまれた。
- Ol'Man River
- 作詞 カーン
- 作曲 オスカー・ハマースタインII
- 編曲 福永陽一郎
- 指揮 田中宏
- 「ミシシッピーという名の年寄りがいる、俺もあんな風になりたいもんさ」 カーンとハマースタイン2世合作のミュージカル「Show Boat」(1 920年代)の中で歌われた傑作である。
- ボーギー&ベス from Porgy & Bess
- Summer Time
- A Woman Is A Sometime Thing
- Oh, I Got Plenty Of Nothing
- Bess, You Is My Woman Now
- These'S A Boat That'S Leaving Soon For New York
- Bess, Oh Where Is My Bess
- Oh Lord! I'M On My Way
- 作詞 デュボース・ヘイワード
- アイラ・ガーシュイン
- 作曲 ジョージ・ガーシュイン
- 編曲 福永陽一郎
- 指揮 杉原佐登司
- 「ラプソディー・イン・ブルー」で知られるジョージ・ガーシュイン(1 898−1937)の珠玉の名作オペラ「ポーギーとベス」は男声合唱版 が数十年もの昔に故福永陽一郎氏によって編曲され、日本に紹介されてい たことは驚くべき事である。ドラマの中でベスは、クラウン、ポーギー、 スポーティング・ライフと身移りしていく。しかし、それは彼女にとって 正直な選択であり、自分の心に嘘をついているわけではないところがポイ ント。このあたり我々一途な男性から見ると「A Woman Is A Sometime Thing」としか受け止められないところでもあるが…。
- 大技・小技コーナー
- 独唱:小貫岩夫・ピアノ:西川秀人
- 築島繁・広島映一・井上和行・鈴木史雄・佐土原陽二・高橋弘行・鈴木健司の7名による「Yesterdayズ」
- 和田英樹・谷口伸による「和田・谷口ズ」・ピアノ:田中宏
- 独唱:光野孝子・ピアノ:西川秀人
- 月光とピエロ
- 月夜
- 秋のピエロ
- ピエロ
- ピエロの嘆き
- 月光とピエロとピエレットの唐草模様
- 作詞 堀口大学
- 作曲 清水脩
- 指揮 永島健一
- 1949年、全日本合唱コンクールの課題曲として「秋のピエロ」が作曲 され、後に「ピエロの嘆き」などとともに、世界で最初の合唱組曲として 「月光とピエロ」が誕生した。以来、偉大なるマエストロ達の手により、 数々の名演が積み重ねられてきた。単純な構成ながらも、数々の難所をさ りげなく内包し、非常に手ごわい。
- Nigra Sum (I am Black)
- 旧約聖書より
- 作曲 パブロ・カザルス
- 指揮 田中宏
- 「Nigra Sum」はチェロの大家パブロ・カザルスが作曲した非常に珍しい 10曲余りの合唱曲の一つである。詩は旧約聖書より採られ、ソロモン とエルサレムの娘との愛が語られている。非常に美しく、長いフレーズ が特徴的であり、聴くものを魅了してやまない。日本では故福永陽一郎 氏によって紹介され、氏の傘下の男声合唱団においてのみ演奏を行って いた、いわば門外不出の存在であった。
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